引越しをする場合、たいていサカイ引越センターのように自宅の前に業者のトラックがやって来るので、家財などの荷物は「車(トラック)で運ぶもの」という固定観念があります。
仮に、引越し先が東京から北海道だった場合は、荷物を積んだトラックがそのままフェリーに乗り込んで海を渡り、目的地まで荷物を運ぶのが一般的です。
そのため、引越しと言えば真っ先に「トラック」を連想し、それ以外の方法はないと思われがちです。
たしかに、引越しが決まれば、引越し業者に依頼し、その業者のトラックで運搬するのが一般的ですが、実はそれ以外の方法もあるのです。
あまり知られていないようですが、JR貨物を利用して引越しをするという方法があるのです。
しかも、トラックでの運搬にはないメリットがいくつもあるのです。
そもそもJR貨物を使った引越しとは、コンテナに荷物を積載してJRの鉄道路線で転居先の最寄の貨物駅まで運搬するというものです。
日頃、踏切などで貨物列車がゴトンゴトンと走っている光景を目にすることがあると思いますが、あのなかには、誰かさんの引越し荷物が入っているものがたくさんあるのです。
つまり、私たち一般人の家財道具や思い出の品々を「貨物」として運ぶということであり、「車で運ぶもの」という固定観念にとらわれていた人にとっては、まさに「目からウロコ」といったところではないでしょうか。
ただ、荷物を積み込むコンテナにはタイヤも運転席もついていないので、引越しのときにはコンテナ運搬用のトラックに乗せられた状態でやってきます。
そこに、通常のトラックの荷台と同じように荷物を積み込み、最寄りの貨物駅に向かいます。
そこで、コンテナだけ貨物列車(高速コンテナ列車)に積み換えられ、引越し先の貨物駅まで運ばれます。
さらにそこで再びコンテナだけトラックに積み換えられ、新居まで運んでくれるというものです。
つまり、引越しの道程のうち長距離の部分を列車で運ぶということなのです。
JR貨物引越しは、トラックで運ぶのとは違ったいくつかのメリットがあります。
まず第一のメリットは、長距離になるほどお得になるということです。
市内や県内、あるいは近隣の市や県といった、比較的、近距離の引越しの場合は通常のトラックのほうが安い料金で済みますが、中距離~長距離の場合は、トラックのように高速道路料金などがかからないため、JR貨物のほうが安く運ぶことができます。
第二のメリットとしては、時間に正確で安全・安心ということが挙げられます。
様々な移動手段・交通手段の中でも、電車・列車は時刻表を厳守して運行されているので、非常に時間に正確なのはご承知のとおりです。
しかも、運行上安全性が高く、コンテナは貸切なので、他の荷物と混ざったりすることもないので、大事な荷物が紛失するといった心配もありません。
また、JRは広範囲のネットワーク網を持っているという強みがあり、これは利用者にとっても大きなメリットでもあります。
JRは、電車が走っていない沖縄を除き、北は北海道から南は九州まで、150近い数の貨物駅があるので、ほぼ全国どこへでも運送してもらうことができます。
輸送に使われるコンテナの容量にはいくつかのタイプがありますが、2~4tに相当する重量の荷物を積載できるので、単身者の場合は十分すぎる容量と言えるでしょう。
もちろん、家族の人数、家財の量に応じて増やすことができるので、搭載制限のあるトラックのように、荷物を積み切れないといった心配も無用です。こんなところもJR貨物のメリットと言えるでしょう。
さらに、必要があれば一定期間、荷物を保管してもらえるというメリットもあります。
JR貨物引越しでは、引越し先の貨物駅で最長5日間まで、荷物を無料で預かってもらうことができます。
そのため、荷物を早めに搬出し、数日後に新居へ運び込むといったこともできるので、引越しの計画を立てるときに非常に便利です。
また、環境保護が叫ばれるなか、JR貨物引越しはエコな観点からもメリットがあります。
CO2の増加が地球温暖化の原因として指摘されていますが、鉄道輸送は車などに比べるとはるかにCO2排出量が少なく、環境にやさしい輸送方法とされています。